日ロ外交 侵攻で経済協力大幅減 2023年度政府予算案のポイント

 日ロ関連は、ロシアのウクライナ侵攻を受けた関係悪化により、大幅な減額が目立った。日本政府は対ロ制裁を続けており、経済協力分野の多くの事業は計上を取りやめた。(北海道新聞2022/12/24)

 経済産業省は、エネルギーなど8項目の日ロ経済協力プランの関連予算として、22年度当初予算では日本企業とロシアの現地企業を結び付ける貿易投資促進事業など16事業に21億円を計上したが、今回は見送った。農林水産省も同様に、同プラン関連の予算を計上しなかった。

 同プランは安倍晋三政権時代の16年にロシア側に提案。経済協力をてこに北方領土交渉を進展させようと予算を計上してきたが、ウクライナ侵攻を受け、岸田文雄首相は同プランを見直す方針を示していた。

 外務省の北方領土関連経費も前年度当初比16%減の3億1千万円。特に、北方四島での日ロ共同経済活動に向けた経費は前年度当初の3700万円から630万円へ大幅に減額した。

 一方、サハリン州との協力事業に関する援助金約1億5千万円は計上した。四島周辺水域での日本漁船の安全操業協定の履行条件としてロシア側が求めており、今後も継続して支払う意向を示した格好だ。

 内閣府北方領土関連費は前年度当初予算と同額の約17億円。新規事業として、北方四島での生活史アーカイブを構築するための調査研究に1千万円、映画館CMや小学生新聞など多媒体を組み合わせた領土問題の広報・啓発に5千万円を盛り込んだ。(土屋航、玉邑哲也)

 

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