日本外務省は「北方領土は固有の領土だがロシアに不法占拠されている」と繰り返した

日本外務省は11日、2023年版外交青書を公表し、南クリル諸島(北方四島)について「日本が主権を有する島々であり、日本固有の領土であるが、現在ロシアに不法占拠されている」と表記した。タス通信が報じた。日本の外務省は、南クリル諸島の所有権の問題を「日露関係の最大の懸案」と指摘した。日本は 4 月初旬に、ロシアに対する新たな輸出制裁パッケージを導入した。これは、様々な産業だけでなく、子供たちにも影響を与えた。ロシアは日本に対し、2023 年には南クリル諸島のロシア領海での漁業に関する政府間協議を行わないことを通知した。ロシア外務省の公式代表であるマリア・ザハロワは「通常の対話に戻るためには、隣国は新たな制裁を開始するのではなく、基本的な敬意を示す必要がある」と述べた。(astv.ru 2023/4/11)

北方領土と平和条約締結交渉」(2023年版外交青書)

 日露関係にとって最大の懸案は北方領土問題である。北方領土は日本が主権を有する島々であり、日本固有の領土であるが、現在ロシアに不法占拠されている。戦後77年を経過した今も未解決のままとなっており、日本政府として、領土問題を解決して平和条約を締結するとの方針の下、これまで粘り強く交渉を進めてきた。

 しかしながら、3月、ロシア政府は、ロシアによるウクライナ侵略に関連して日本が行った措置を踏まえ、平和条約交渉を継続しない、自由訪問及び四島交流を中止する、北方四島における共同経済活動に関する対話から離脱するなどの措置を発表した。また、9月、ロシア政府は、自由訪問及び四島交流に係る合意の効力を停止するとの政府令を発表した。

 現下の事態は全てロシアによるウクライナ侵略に起因して発生しているものであり、それにも関わらず日本側に責任を転嫁しようとするロシア側の対応は極めて不当であり、断じて受け入れられない。政府として、ロシア側に強く抗議し、即時に侵略を停止し、部隊を撤収するよう強く求めてきている。

 ロシアによるウクライナ侵略によって日露関係は厳しい状況にあり、今この時点では、平和条約交渉の展望について述べる状況にないが、政府としては、領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持していく考えである。また、現状では、四島交流等事業を行う状況にはなく、新型コロナをめぐる状況により実施できなかった2020年、2021年に引き続き、2022年も事業は実施できなかった。北方墓参を始めとした事業の再開は、今後の日露関係の中でも最優先事項の一つである。政府として一日も早く本件事業が再開できるような状況となることを強く期待しており、引き続き、適切に対応していく。

 なお、北方四島でのロシアの軍事演習を含む軍備強化に向けた動きに対しては、領土問題に関する日本の立場と相容いれないとしてロシア側に対して抗議している。

 

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