色丹島と歯舞群島のほとんどの島々からなる国立の自然保護区「小クリル」が今年、創設40周年を迎えた。「小クリル」は、国後島を中心とした「クリル自然保護区」を構成する保護区の1つだが、その創設は1983年5月13日で、「クリル自然保護区」より1年早い。「小クリル」は小クリル列島(色丹島と歯舞群島)の島々とそれに隣接する1マイルの水域で組織されているが、歯舞群島にあるデミナ島(春苅島)とオスコルキ島(海馬島)だけは国後島を中心とした「クリル自然保護区」に属している。保護区の総面積は水域と合わせて67,892ヘクタールある。「小クリル」には 1,354 種の植物と菌類が生育し、このうち45種がロシアのレッドブックに記載されている。動物相は、295 種の脊椎動物を含む 2,000 種以上の動物が生息しており、このうちロシアやサハリン州のレッドブックに60種が掲載されている。そのほとんどは鳥類だ。「小クリル」保護区の海域には、海洋哺乳類(クジラ、イルカ、ラッコ、アザラシなど)、海鳥(ウミガラス、オオカモメ、ミズナギドリ、アホウドリ、ウミツバメ、カモメなど)、甲殻類、棘皮(きょくひ)動物、軟体動物など、さまざまな海洋動物が生息している。タンフィリエフ島(水晶島)のドゾラ岬(台場岬)には、保護区の水域にはアザラシ(ゴマフアザラシなど)の最大の繁殖地の1つがある。ユーリ島(勇留島)、ゼレリョヌイ島(志発島)、タンフィリエフ島の沖合に広がるコンブの生育エリアには、2022 年の時点で約500頭のラッコが生息している。保護区の水域は、無脊椎動物(ウニ、軟体動物、カニ、エビなど)や昆布などの大型藻類を含む海洋生物資源の更新にとって重要な場所となっている。(クリル自然保護区ウエブサイト2023/5/10)
「小クリル」保護区にある色丹島ツェルコブナヤ湾(松ケ浜湾)。ある角度から見ると、旧ソ連の指導者スターリンに似ていることから、そう呼ばれる。2022 年 9 月 22 日。アレクサンダー・ヤコブレフ撮影
色丹島で最も美しい湾と言われるツェルコブナヤ湾(松ケ浜湾) アイバゾフスキー島(小島) 2022 年 9 月 22 日。アレクサンドル・ヤコブレフ撮影
色丹島のノトロ山(357m) 。2022年9月21日。アレクサンドル・ヤコブレフ撮影
色丹島のシコタン山(斜古丹山)、トマリ山、ノトロ山の山地に生息するカタオカソウ。国後島では見られない。2019 年 5 月 8 日。セルゲイ・カルペンコ撮影
色丹島のキンロバイ。国後島では見られない。2016 年 8 月 13 日。ユーリー・スンドゥコフ撮影
色丹島のグイマツ。2022年9月23日。エレナ・リニク撮影
レッドデータブックに記載されているラッコ。歯舞群島ユーリ島(勇留島)近くで。2016 年 8 月 29 日。ユーリー・スンドゥコフ撮影
色丹で最も美しいツェルコブナヤ湾のデビャトゥイ・バル島(鴨島) 2022年9月22日。エレナ・リニク撮影
デリフィン湾(能登呂とポンデバリに囲まれた入り江)はオオハクチョウのお気に入りの越冬地。2022年9月22日。エレナ・リニク撮影
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