ロシア外務省報道官のマリア・ザハロワ氏は、ロシアの副首相が択捉島を訪問したことに対して日本が抗議したことについて、自身のテレグラムチャンネルで「択捉島はロシアのものだ。日本がそのことを学ぶ時が来た」と書いた。(サハリン・メディア2023/7/5)
ロシア副首相が択捉訪問 侵攻後初、開発遅れを叱責 日本政府は抗議
(北海道新聞2023/7/5)
ロシア国営タス通信によると、極東政策を担当するトルトネフ副首相が4日、北方領土・択捉島を訪問した。昨年2月のウクライナ侵攻後、閣僚の北方四島への訪問は初めて。トルトネフ氏は四島などに昨年導入した大規模な免税制度の利用が低調だとして地元政府などを批判し、投資誘致を強化するよう指示した。一方、日本政府は同日、ロシア政府要人の四島訪問は受け入れられないとして、ロシア側に抗議した。
トルトネフ氏は四島を事実上管轄するサハリン州の州都ユジノサハリンスクから空路で択捉入り。チェクンコフ極東・北極圏発展相とリマレンコ州知事も同行し、地元企業が手がける水産加工施設の建設現場などを視察した。
ロシア政府は四島開発を促進するため、クリール諸島(北方領土と千島列島)に昨年、一部業種を除き、基本税を20年間免除する制度を導入した。トルトネフ氏は択捉での会合で、制度利用を届け出た企業は14社だと説明。投資の環境整備などを担う極東・北極圏発展公社の取り組みが不十分だとし、「サハリン州の指導者も開発にもっと注意を払うべきだ」と叱責(しっせき)した。
ロシア政府は侵攻後、対ロ制裁に参加していない中国などに四島への投資を呼び掛けているが、思うような成果が出ていないとみられる。トルトネフ氏の訪問は、9月にウラジオストクで開く東方経済フォーラムを前に四島開発をてこ入れするとともに、領土返還を求める日本に実効支配を誇示する狙いもあるとみられる。トルトネフ氏は同日、島を離れた。(本紙取材班)
択捉島ヤンキトで建設中のホテル。奥の建物は島で最高級のホテル。
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