【根室】北方領土問題対策協会(北対協、東京)は1、2の両日、全国の中学社会科教諭を対象にした北方領土問題に関する研修会を市内で開いた。領土問題に関する授業をより充実させるのが狙いで、参加した62人が元島民の講話などで北方領土について学んだ。(北海道新聞根室版2023/8/5)
初日は、道立北方四島交流センターで択捉島出身の鈴木咲子さん(84)が登壇。島での生活や旧ソ連軍の侵攻時の恐怖などを説明した上で、「いつでも行きたい時に島に行き、お墓参りがしたい」と、自由に行き来できない古里への思いを伝えた。さらに「今の子どもたちに北方領土のことを語り継いでもらいたい」と話し、授業でも積極的に領土問題を取り上げるよう呼びかけた。
このほか、納沙布岬から歯舞群島貝殻島や水晶島を視察。神奈川県から参加した遠藤惣一郎教諭(34)は「これまでは『日本固有の領土』であることの説明にとどまっていたが、今後は元島民の思いも授業で伝えていきたい」と語った。
2日は、北方領土に関する授業案をつくった。研修会は北対協が毎年実施しているもので、新型コロナウイルスの影響で市内での開催は4年ぶり。(川口大地)
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