船内に祭壇 返還へ決意新た 洋上慰霊、国後島コース始まる

 【根室北方領土付近の洋上で、チャーター船「えとぴりか」から元島民らが慰霊する「洋上慰霊」の国後島沖を巡るコースが14日、根室港発着で始まった。全6回のうち4回目。これまでで最多の76人が参加し、船内から島に眠る先人の冥福を祈った。(北海道新聞釧路根室版2023/9/15)

 千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟、札幌)と道が2年連続で主催。参加者は、標津港沖から東に約11キロの地点で停泊。高波のため船内で慰霊式を行った。

 参加者は黙とう後、1人ずつ祭壇に献花。千島連盟の臼田誠治別海町支部長(84)は「故郷の大地を踏みしめることができなかったことで、かえって領土返還の思いを強くした。さらに粘り強く返還運動に取り組んでいく」と述べた。

 この日の天候は曇りだったが、船からは国後島が見えた。2年連続で参加した国後島元島民の花原孝さん(81)=岩見沢市=は「昨年は悪天候で出航できず残念だったが、今日は島を眺められて良かった」と話した。国後コースは残り2回。次回は21日に行う予定。(川口大地)

 

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