ロシアの統一地方選だった10日、サハリン州が事実上管轄する北方領土でも5年ぶりに「地区議会選」が行われた。議会は択捉島のクリール地区、国後、色丹両島などの南クリール地区それぞれに置かれている。
クリール地区(定数15)はいわゆる「中選挙区比例代表並立制」。択捉島全体の5人区に加え、政党の得票数に応じて計10人の当選者が決まる。プーチン政権与党「統一ロシア」が1議席増え、12議席を占めた。
南クリール地区は前回は中選挙区比例代表並立制だったが、比例代表がなくなり、国後、色丹両島に設けられた六つの3人区で争った。定数は16から18に増え、統一ロシアは選挙前の9議席から11議席に伸びた。
統一ロシアはサハリン州でも党勢を維持し、州政府系メディアはプーチン大統領が主張するウクライナの「特別軍事作戦」に対する支援活動が評価されたと強調している。
ただ、今回、南クリール地区の選挙区の区割りが一部住民を困惑させた。三つの選挙区が、国後、色丹両島にまたがる形で線引きされたからだ。
交流サイト(SNS)では異なる島の住民の訴えに「どう素早く対応できるのか」と不満が漏れ、同じ島の候補者に投票を呼び掛ける声が上がった。それが影響したのかは分からないが、投票率はクリール地区で前回より約9ポイント減の29%だった一方、南クリール地区では約10ポイント増の57・7%に伸びた。(北海道新聞2023/9/21)
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