【根室】北方領土元島民らが洋上から先祖を慰霊する「洋上慰霊」の今年最終回が30日、根室港発着で行われた。参加した72人は、国後島を望みながら北方四島に眠る故人に思いをはせた。(北海道新聞釧路根室版2023/10/1)
この日、チャーター船「えとぴりか」は、標津港沖から北東9キロの地点で停泊。甲板上で慰霊式を実施し、黙とうをささげた後、1人ずつ献花した。
参加した国後島元島民の岩松昇さん(83)=標津町=は、故郷に近づけたことを喜ぶ一方、「目の前に島が見えるだけに、上陸できないつらさがこみ上げてきた。もう一度島に帰りたい」とし、北方領土墓参の早期再開を願った。
洋上慰霊は、千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟、札幌)や道などの主催。2年連続の実施で、8月28日からこの日を含め6回実施し、昨年より85人多い384人が参加した。(川口大地)
洋上慰霊、全6回の日程終了 2年目 延べ384人参加
(北海道新聞2023/10/1)
【根室】北方領土元島民らが四島に眠る先人を船上から慰霊する根室港発着の洋上慰霊が30日、今年の全6回の日程を終えた。2年目となった今年の参加者は延べ384人となり、昨年を85人上回った。
日ロ関係悪化により北方領土ビザなし渡航が難しくなったことを受け、千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟、札幌)や道などが昨年から実施。この日は72人がチャーター船「えとぴりか」で、根室管内標津町の標津港沖北東9キロの地点に向かい、甲板上で国後島を望みながら慰霊式を行った。
昨年は天候不順で根室港を出られない日があったが、今年は予備日を設けるなどして6回とも出航した。千島連盟根室支部の角鹿泰司支部長(86)は「参加者全員が島に近づけてよかった」とする一方、「洋上慰霊だけでは満足できない。一刻も早く墓参が再開できるよう、引き続き国に訴えていく」と強調した。(川口大地)
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