択捉島にビジネスミッション ロシア国内企業10社が参加 海外企業の姿なし

クリル諸島(北方四島を含む千島列島)に新たな投資を呼び込もうと、ロシア極東・北極圏発展省や同開発公社、サハリン州などが主催するビザネスミッションが10月4日から2日間、択捉島を訪問し、島内の主要な投資地を視察した。参加したのはヴァスタ・ディスカバリー、コスモス・ホテル・グループ、レジェンド・ホテル・グループ、ボストーク・パーク・リゾーツ、マンテラ、VEB.RF、ホンカ・カムチャツカ、エコレオン、TT-トラベル、モントインセットなどロシアの観光、エネルギー分野の主要企業10社以上の代表者。リマレンコ知事の択捉島訪問に合わせて実施された。クリル諸島には新規投資家に20年間税を免除する「免税特区」や優先的社会経済発展区域(TOR)特区が導入され、ロシアで最も収益性の高い優遇措置が提供されている。案内役のリマレンコ知事は「クリル諸島は特別な領土。プロジェクトの実施に必要なすべてのインフラ、労働者にとって快適な環境を構築し、連邦政府と州政府の両方で投資家に最大限の支援措置を提供している。クリル諸島は観光産業や水産加工などの分野で発展の可能性が非常に大きい」と語った。事実2020年から2022年にかけて、クリル諸島への観光客の流れは2.5倍に増加し、年間5万3,000人に達している。国後島択捉島色丹島では、海洋養殖に利用できる広大な海域が提供可能となっている。また、2026年までにクリル諸島におけるエネルギー供給量を倍増する計画だ。極東北極圏開発公社のニコライ・ザプリャガエフ総局長はクリル諸島に導入された優遇制度について「免税特区の対象企業はホテル、観光企業など現在14 社で、投資額は約16億ルーブル、200人以上の雇用を創出している。国後島ではクナシルツアー社が森の中に22のロッジをはじめスパ複合施設、ガラスドームのレストランなど観光複合施設を建設するのに1年もかからなかった」と強調した。また、TOR特区についてはこれまでに8社が参入し投資額は70億ルーブルを超えると説明。北クリルの「オネコタン諸島」ではホテル、クルーズ、温泉、グルメ観光の開発を目的とする観光クラスターが形成されると紹介した。今回は滞在が2日間たったことから、代表団はクリル諸島が提供する投資機会のほんの一部しか調査できなかった。コスモス・ホテルグループのアレクサンドル・ビバ社長は「すべての投資提案を慎重に検討する。今日、クリル諸島は最も効果的な優遇条件を提供しており、すべての物流条件が作成されており、これは観光ビジネスの発展にとっても重要だ」とは語った。ホンカ・カムチャツカ社のアレクセイ・エフィモフ代表は「ここは観光分野への投資に最適な場所だ。クリル諸島の美しさをロシア本土の人々に見てもらいたい。国は税制上、行政上の様々な優遇措置を講じているが、民間投資の誘致に向けてさらに多くのことが行われると確信している」と述べた。(astv.ru 2023/10/6)

 

 

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