観光とエネルギー分野の企業向けのビジネスミッションが10月4日と5日、択捉島で開催された。大企業の代表者らはクリル諸島(北方四島を含む千島列島)に投資を呼び込む免税特区制度など、企業活動の発展に向けた提案を目の当たりにした。免税特区の根幹は20年間税金を支払う必要がないことだ。さらに投資家には同期間中 7.6% という低い保険料率が適用される。また、関税を支払わずに外国製品を輸入できる自由関税制度を利用することが可能。クリル諸島ではプロジェクトを実施するために 140 以上のサイトが提供されており、これまでに水産加工や観光分野の14社が免税特区に参加。16億ルーブルを投資して数百人の新たな雇用の創出が見込まれている。クリル諸島ではすでに観光、水産加工、船舶の修理・建造プロジェクトが実施されている。色丹島では、オストロブノイ水産加工場がフルサイクルの加工複合施設を建設中で、缶詰や冷凍製品、魚油・魚粉が生産される。「アイランド・クラブ」社は、活カニを漁獲して輸送するための 2 隻の専用船を建造している。また、「サーフツアーカンパニー」では、国後島の海岸でサーフィン教室を開いている。同社のアレクサンドル・ソキルニク社長は「この優遇制度をメディアで知り、試してみることにした」と語った。同社は将来的にサーフィンスクールを開く予定だ。北クリルのパラムシル島を中心にした「オネコタン諸島」プロジェクトも進んでいる。パラムシル島に3つ星ホテルが誕生し、観光客はそこを拠点にアトラソフ島、オネコタン島、シュムシュ島へ旅行に出かけることができるようになる。第二次大戦の戦車などが残るシュムシュ島には軍事装備の野外博物館が整備される予定だ。択捉島では「オリエンタル・リゾート」プロジェクトが実施される予定で、ホテルに加えてエコトレイル、展望台、アルペンスキー複合施設が整備される。
ロシア極東・北極圏開発公社のザプリャガエフ総局長は「クリル諸島で投資プロジェクトが増えれば増えるほど、交通アクセスが向上し、インフラも改善され、より多くの観光客が訪れるようになる。その結果、島の生活水準は向上する」と、投資拡大に期待を示す。(tia-ostrova-ru 2023/10/9)
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