北方領土・貝殻島周辺で6月1日から9月末まで行われたコンブ漁で、ロシア国境警備局による「臨検」を受けた日本漁船は延べ529隻と、昨年の366隻を163隻上回ったことが12日、分かった。昨年はロシアのウクライナ侵攻で日ロ民間交渉が遅れ、出漁が例年より3週間ずれ込んだが、今年は2年ぶりに例年通りの操業日数となり、臨検が増えたとみられる。(北海道新聞デジタル2023/10/12)
貝殻島コンブ漁は、日本200カイリ内のサケ・マス流し網漁、安全操業、地先沖合漁業と並ぶ日ロ間の漁業協定の一つ。臨検は、日ロ中間ラインのロシア主張水域側でロシア国境警備局が日本漁船に対し、操業承認書を点検するなどの行為を指す。
関係者によると、今年は204隻が出漁し9月27日まで操業。拿捕(だほ)された漁船はなかった。コンブの水揚げ量は前年比6割強増の約2700トン。
根室の60代のコンブ漁師は「ルールを守って違反のない操業を続けているから特に問題はなかったが、6月は毎日のように臨検があり、ほとんどの船が臨検されていた」と述べ、別の60代漁師は「今年は臨検が異常に多く感じた。時間はそこまで長くなかったが緊張感があった」と話した。(田中華蓮、先川ひとみ)
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