北方領土元島民3世の写真家山田淳子さん(41)=東京都在住=が道内などの元島民を訪ね、島の記憶や思いを聞きながら撮影した写真展「わたしの100人の祖父母たち」が17日、東京都新宿区の「ギャラリー・ニエプス」で始まった。(北海道新聞2023/10/18)
山田さんは、祖父が歯舞群島志発島出身。「写真を通じて島の記録と記憶を残したい」として、2019年から元島民を訪ね始めた。戦後80年となる25年までに100人を撮影する目標を掲げ、これまでに53人を撮り終えた。
今回は根室や函館などで撮影した78~96歳の元島民17人の写真を展示。顔に深いしわが刻まれた男性や1945年8月15日の終戦の日に書かれた日記など、旧ソ連軍に島を追われた元島民の苦労や思いがにじむ作品が並ぶ。写真には「国後島に骨が埋まっている義理の兄のために墓参がしたい」など、撮影時に聞き取った言葉も書き添えた。
写真展は22日までの午後1~7時。無料。山田さんは「故郷への思いや平和の尊さを感じてほしい」と話している。(今井裕紀)
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