ロシア外交筋「元外務次官クナーゼ氏はクリル諸島(北方四島)の日本への譲渡に向けロビー活動を行った」

ロシア外交筋は「外国の代理人」名簿に登録されている元外務次官ゲオルギー・クナーゼ氏について、「コズイレフ外務大臣の時代、クリル諸島(この場合、北方四島)の日本への譲渡を求めて積極的に働きかけを行った」とRIAノーボスチに語った。法務省20日、クナーゼ氏を「外国の代理人」リストに加えた。クナーゼ氏はコズイレフ氏が外務省を率いていた1991年から1993年にかけて外務次官を務めた。日本は1855年の条約を引用し、国後島色丹島択捉島歯舞群島の領有権を主張している。日本政府は、ロシアとの平和条約締結の条件として島の返還を求めた。1956年、ソ連と日本は、平和条約が締結された場合に2島の譲渡の可能性を検討することに合意した宣言に署名した。ソ連は領土問題に終止符を打つことを望んでいたが、日本側は問題解決の一部に過ぎず、すべての島々に対する領有権を放棄することはないとの立場をとった。交渉は徒労に終わった。ロシア政府の立場は、これらの島々は第二次世界大戦後にソ連の一部となり、それらに対するロシアの主権は疑う余地がないというものである。(RIAノーボスチ2023/10/20)

クナーゼ元外務次官をスパイ指定 ロシア法務省、侵攻反対が理由か

(北海道新聞2023/10/22)

 ロシア法務省は20日、1990年代のエリツィン政権時代に北方領土交渉に関わったロシアのゲオルギー・クナーゼ元外務次官を、スパイを意味する「外国の代理人」に指定したと発表した。タス通信などが伝えた。プーチン政権によるウクライナ侵攻に反対の姿勢を示したためとみられる。

 法務省は「ロシアの否定的イメージを作り出すことが目的の虚偽情報や、当局の決定や政策、軍の行動についての虚偽情報を流布した」と主張。「外国が提供する情報プラットフォームに回答者として組織的に参加した」と、外国メディアを通じた発信も問題視した。

 外交筋はタス通信に「クナーゼ氏はクリール諸島(北方領土と千島列島)の日本への譲渡に向け積極的にロビー活動を行った」とも指摘した。

 クナーゼ氏は日本勤務経験があり、エリツィン政権で91年から外務次官、93年から駐韓国ロシア大使を務めた。99年からはロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所の主任研究員を務めている。

 

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