北方領土復帰期成同盟日高地方支部(上田正則支部長)は15日、浦河町基幹集落センター堺町会館で「令和5年度日高管内北方領土を知る集い」を開催した。参加者たちは北方領土返還要求運動の一層の推進に向けて北方領土問題の現状について理解を深めた。(日高報知新聞2023/11/18)
1945年(昭和20年)の第二次世界大戦終了直後から択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島からなる北方四島は、ロシアに法的根拠なく占拠され続け、現在はロシアによるウクライナへの侵攻に起因して、元島民による四島交流や自由訪問が中止になるなど、日露関係は厳しい状況となっている。
同支部では、北方四島の早期返還、領土問題の解決に向けて、歴史や背景などを学び、多くの人へ北方領土に対する興味と関心を喚起し、返還要求運動の推進を図ることを目的に、毎年「北方領土を知るつどい」を開催している。コロナ禍のここ数年は中止していたが、新型コロナが感染症5類に移行したことから、4年ぶりに支部会員や管内の住民など42人が集まっての通常開催となった。
はじめに上田支部長があいさつ。北方四島がロシアに占拠される以前、根室市から四島を結ぶ連絡船の名前が“浦河丸”だったことから、「浦河町との縁を感じる」と語ったうえで、「戦争が終って78年目を迎えた。未だロシアに不法占拠されている我が国固有の領土である北方領土の返還要求運動や啓発活動に、道民の一員として理解と協力をお願いする」と求めた。
この日は、元島民と後継者で組織する千島歯舞諸島居住者連盟から森弘樹専務理事と松本侑三理事長を招いての講演やDVD上映が行われた。
森専務理事は、「北方領土を知っていますか」と題し、領土問題の概要や返還要求運動、連盟の活動とこれからについて講義。「択捉島は沖縄本島よりも面積の広い日本で一番大きな島。コンブなどの水産資源も豊富で経済的な面で見ても影響は大きい」などと説明。また、北方領土で生活を送っていた島民の写真を使いながら当時の暮らしも紹介した。
このあと、松本理事長が語り部として「北方領土待つ元島民の声」と題し、元島民の人々がどんな思いで生きてきたのかを語った。
語り部による講演は、日高管内では初となることから、参加者たちは松本理事長の話に熱心に耳を傾けていた。
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