第2次世界大戦後、ロシア・サハリン(樺太)に残留した邦人と家族でつくる「サハリン日本人会(北海道人会)」の定期総会が2日、ユジノサハリンスクで開かれた。コロナ禍とウクライナ侵攻の影響で途絶えていた日本への一時帰国が少しずつ増えていることが報告された一方、「日本に身寄りがない人はどうすれば一時帰国できるのか」などの不安の声も相次いだ。(北海道新聞デジタル2023/12/2)
サハリン日本人会の会員は、この1年で3人が入会した一方、1人が退会、2人が亡くなり現在87人。この日は約50人が出席した。今年は約10人が中東や中国を経由して一時帰国できたといい、参加者は「家族と札幌のビール園で、おいしいビールが飲めた」などと喜びを報告した。
一方、加藤晃枝会長(70)は、日本政府の一時帰国事業の制度が今年から変更され「日本で責任を持って受け入れる親戚や友人が個人を招待する形になった」と説明。出席者から「そんな人がいない場合はどうすればいいのか」と不安の声が上がった。
総会後、80代男性は「日本の親戚や友人はみんな亡くなった。自分はもう一時帰国できないだろう」と嘆いた。加藤会長は「会員の一番の望みは一時帰国。会員が不安を感じない制度を政府は考えてほしい」と話した。(本紙取材班)
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