「島の生活、語り伝えて」千島歯舞連盟理事長 帯広で講演

 北方領土講演会「今後の北方領土返還運動のゆくえ」が11日、帯広市のとかちプラザで開かれた。千島歯舞諸島居住者連盟の松本侑三理事長(82)=札幌市=が元島民や後継者を前に、自らの語り部活動を例に挙げながら、返還運動の今後のあり方や資料などの有効な使い方を説いた。(北海道新聞デジタル2024/2/11)

 同連盟と同連盟十勝支部の主催で、同支部から19人が参加した。

 松本理事長は択捉島留別村天寧出身。ロシアのウクライナ侵攻による日ロ関係悪化で、返還運動は「厳しい状態にある」と強調。その上で「島の生活を語れる人は語り、伝えて。返還運動をしている人はその話を聞き、書物などで調べ、自分の周りの人に伝えて」と訴え、「学習会や研修会など学ぶ場を設定しなければ、運動が先細りする」と危機感を示した。

 また、松本理事長は、ソ連に占領される前の缶詰工場など四島の産業や暮らしが分かる写真や地図を示し、「自分の先祖の眠る墓や自分の生まれた土地を自由に訪れたいという気持ちがある。さまざまなものを活用し、その気持ちを伝えて」と話した。(古谷育世)

 

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