島根大が、島根県隠岐の島町の竹島(韓国名・独島(トクト))を中心に領土問題を学ぶ科目を2024年度に新設することが15日、分かった。大学担当者によると領土問題に特化した科目は全国の大学では初めて。全学部生が対象で地理学、歴史学、国際法学など幅広い視点から学び、同町でのフィールドワークも開き、多角的に国際問題を考える力をつける。(山陰中央新報オンラインニュース2024/2/16)
月1、2回で計15回の授業では、竹島の歴史や地理的関係を古地図などから学び、夏休みには隠岐地方や鳥取県内でのフィールドワークを実施する。日本だけでなく韓国側の主張にも触れる。竹島のほかにも北方領土や尖閣諸島を取り上げ、国際法の観点から領土問題を平和的に解決する方法を探る。
講義を担当する法文学部の舩杉力修教授(53)=歴史地理学=が、地理学の授業の一部で竹島を扱った際、学生から「深く学びたい」との声があり、新科目を大学に申請した。
各学部の教授らが科目新設の可否を判断する大学の小委員会は、特定の政府の見解を主張する授業ではないことなどを確認。三瓶良和委員長(大学教育センター長)は「国際社会の平和と発展に寄与するという島根大学憲章に沿っている」と判断理由を述べた。
舩杉教授は「多角的に学ばなければ領土問題の本質は理解できない。基礎から系統的に教えたい」と話した。
島根県内の小中高校では学習指導要領に基づき社会科や地理、歴史、公民の授業で竹島を扱う。中学校では県が作成した学習用リーフレットを活用している。
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