「日本への幻想消えたロシア」「対日関係、全て破壊せず」モスクワ国際関係大教授ドミトリー・ストレリツォフ氏

『隣国である日本との関係を全て破壊するわけにはいかず、将来的に関係を修復させる必要性は失われていない。ロシア側は元島民の(北方領土の)墓参や、周辺海域での日本漁船の安全操業の実施を凍結しているが、政府間合意そのものを破棄していないのは重要なポイントだ。平和条約締結交渉を巡っても、歯舞群島色丹島の引き渡しを明記した1956年の日ソ共同宣言の法的有効性を否定するような発言はしておらず、宣言から離脱する手続きもとっていない。ロシア政府は日本を「非友好国」に指定したが、国民の対日感情は全体的に好意的で、軍事作戦前と比べてドラスティックな変化はないとみている。一部では対日感情が悪化した人もいると思うが、軍事作戦の前でも大多数のロシア人は日本に対してある程度、親近感や好意を持っていた。日本文化に魅力を感じているロシア人は多いし、日本に行きたい人も数多い。日ソ関係が厳しかった冷戦時代でも、日本に対する経済大国、文化大国といったイメージはロシアで定着してきた。悪化した政治関係を補完するためにこれまで積み重ねてきた文化などの民間交流を継続することは重要だ。専門家レベルでも日本との交流再開に向けた可能性を探っている』(北海道新聞2024/2/21)

 

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