ユジノサハリンスクで2月27日、サハリン州政府投資・対外関係省のワシリー・グルデフ大臣と起業家による会議が開催された。この中で、起業家らは、クリル諸島(※北方四島を含む千島列島)への投資の保護と促進に関する仕組みや国の支援について説明を受けた。クリル諸島は豊かな動植物、独特の景観、そして最大規模の水生生物資源量によって際立っているため、大規模投資プロジェクトの実施という点で関心を集めている。アジア太平洋地域への地理的な近さと、ビジネスを行う上でのさまざまな優遇措置があることもメリットになっている。特に観光は重点分野に挙げられており、観光客数は年8.5%増えている。2035年までに観光客を5万9,000人に増やす計画だ(2021年には1万5,000人が島を訪れた)。フィッシングやハンティング、エクストリーム・ツアー、エコツーリズム、温泉は旅行者の間で特に需要がある。また、海洋養殖については5万ヘクタールが利用可能であり、年間最大100億ルーブルの輸出収入が見込まれる。現在、昆布、ウニ、ナマコ、ホタテ貝の生産が行われている。企業は代替エネルギー分野でのプロジェクトにも関心を持っている。クリル諸島に投資する起業家には税制上の優遇措置がある。ロシア本土では利益に対して20%、資産は2.2%、土地に対する税金は1.5%だが、クリル諸島ではすべて0%だ。会議の中で、起業家たちは択捉島と国後島で準備が進められているスキー場やゴルフコース、ホテル、エンターテイメント複合施設、レストラン、グランピングなどのプロジェクトについて説明を受けた。成功例として、オストロヴノイ水産加工場が取り組んでいる魚粉・魚油の生産、観光施設とホテルの複合施設、サーフキャンプの開設などが紹介された。(サハリン・メディア2024/3/4)
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