サンマは南クリル諸島(北方四島)付近に戻って来る ロシアの科学者予測

サンマは南クリル諸島(北方四島)付近の伝統的な漁場に戻って来る–ロシア連邦漁業庁のソコロフ副長官や全ロシア海洋漁業研究所(VNIRO)の科学者が出席した会議で、太平洋北東部におけるサンマの生産予測が発表された。専門家は近年、ベーリング海の南西部にあるクリル諸島北部(千島列島北部)付近で夏から秋にかけてサンマの漁場が形成されていることに注目し、今後数年間で漁場は西側に移り、南クリル諸島(北方四島)付近の伝統的な漁場に戻って来ることが予想されると考えている。2015年以降、漁船1日あたりのサンマの平均漁獲量は20トンだったが、2021年には4トンに減少し、まったく採算が合わなくなった。昨年は出漁したのは1 隻だけ。途中1カ月ほど漁を休んだため総漁獲量はわずか51トンにとどまった。科学者によると、気候変動の影響で海水温が上昇し、漁場がクリル諸島や日本列島からはるか東に移動したためという。台湾と中国の漁船による公海での漁獲量も減少した。(sakh.online 2024/3/6)

ロシア科学研究機関 今後数年内にサンマ資源は伝統的漁場“南クリール”に戻る

(ロシア漁業ニュースヘッドライン2024/2/29)

全ロシア海洋漁業研究所ヴニロは、サンマ資源が、今後数年内に伝統的漁場だった南クリール海域に戻るとの中長期予想を示している。気候変動が北西太平洋のサンマ資源分布に影響を与えている。磯口海流の長期にわたる激化現象が黒潮系資源分布の性質を根本的に変えた。これは漁業、特に主要な漁場の移転として影響を及ぼしている。サンマ資源集約が外洋で形成されたことから、事実上、ロシア漁業の操業停止を招いた。この2年間、サンマの摂餌回遊は日本とクリール列島からはるか東方で始まり、夏-秋、クリール列島北部からベーリング海南西部に集中したが、昨年2023年、西部にまで広がる変化が確認された。これは、今後数年以内に、商業的資源の集約が伝統的漁場だった南クリール海域で形成予想されることを示唆している。

※磯口海流(磯口ジェット)は、2000年代に北海道の東方1,000kmの沖合で発見された黒潮を源とする海流で、深海底の緩やかな地形が表層海流を効果的につくりだすメカニズムによって発生している。温かい黒潮水を運び、親潮による亜寒帯海水との間に強い水温前線を形成させる。

 

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