【根室】道北方領土対策根室地域本部は、道ホームページ(HP)で公開している北方四島の元島民のインタビュー動画集「北方領土の元島民の想いマップ」の英語字幕入り版を制作した。これまでは日本語字幕だけだった。英訳を付けることで海外への発信力を高め、外国人にも領土問題への理解を深めてもらう。3月末に公開する予定だ。(北海道新聞釧路根室版2024/3/8)
昨年11月に公開されたこの動画集は、デジタル地図の北方四島の部分に示されたマークを選ぶと、元島民の出身地やインタビュー動画、現地の写真などが分かる。
新たに英語字幕版を加えるのは漁業で栄えた島の思い出や旧ソ連軍の侵攻時の混乱を語る元島民8人のインタビュー動画で、同本部の若手職員らが翻訳サイトなどを使って昨年12月から3カ月ほどで完成させた。
動画はそれぞれ3~6分ほど。元島民の語りに合わせて画面の下に字幕が流れる。担当者の一人佐々木翔也さん(25)は「なるべく簡単な英語を使って日本語の細かなニュアンスを残せるよう心がけた」と話す。
このほか、地図に表示している根室管内の北方領土啓発施設の概要や、衛星写真などを使って北方四島を上空から眺めている気分を味わえる「シミュレーション飛行」の英語字幕版も同時に公開する予定だ。
同本部は、故郷を追われた元島民の悲しみや望郷の念は国籍を問わず胸を打つはずとみており「北方領土問題に国際的な関心が集まる一助にしたい」としている。
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