【根室】北方領土元島民の人数が3月末現在、前年同期比161人減の5135人となり、1945年(昭和20年)の終戦時に四島に住んでいた1万7291人の29.7%と初めて3割を下回った。平均年齢は同1歳上がり88.5歳と高齢化が進んでいる。千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟、札幌)が元島民や遺族から寄せられたり、聞き取った情報などを基に3カ月ごとに集計している。元島民の子にあたる2世は1万6361人で平均年齢60.6歳、孫にあたる3世は1万2727人で38.1歳、ひ孫の4世は303人で21.6歳だった。(北海道新聞根室版2024/4/4)
千島連盟根室支部長の角鹿泰司さん(86)=歯舞群島勇留島出身=は高齢化で返還への気持ちが薄れる元島民も多いといい「2世ら後継者が返還運動の主役を担っている。元島民が少しでも生きているうちに一日でも早く故郷の島に足を踏み入れての墓参が再開できるようになってほしい」と願いを語った。
元島民らが北方四島を訪れる墓参などのビザなし渡航は、ロシアのウクライナ侵攻による日ロ関係悪化を受け、再開が見通せない状況が続いている。
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