外交史料館展示室が移転 東京 8日リニューアルオープン

 幕末以降の日本の貴重な外交文書を展示する外務省外交史料館の展示室が、東京都港区の高層ビル内に移転リニューアルし、8日にオープンする。北方領土関係では、平和条約締結後に歯舞群島色丹島を日本に引き渡すことを明記した1956年の日ソ共同宣言の文書の複製を新たに展示。5日は上川陽子外相らを招いた開所式が行われた。(北海道新聞デジタル2024/4/5 今井裕紀)

■日ソ共同宣言の複製も新たに展示

 旧展示室は1988年、都内港区にオープン。老朽化に伴う移転のため昨年9月から閉室していた。新たな展示室は同区の麻布台ヒルズ森JPタワーの一室で、面積は約140平方メートル。移転費用は9500万円。

リニューアルした外交史料館に展示される日ソ共同宣言の文書の複製(金田翔撮影)

 外務省が収蔵する11万5千点の外交文書のうち、特に貴重な約70点を展示する。旧展示室では1960年代までの文書が対象だったが、リニューアル後は21世紀までに拡大。日米和親条約や太平洋戦争の降伏文書、核兵器不拡散条約の複製のほか、日露講和条約ポーツマス条約)の署名に使われたインクつぼなども並ぶ。それぞれの条約締結に至る背景を解説するパネルも新設した。

 5日の開所式で上川外相は「わが国の外交をより身近に感じられる場所になってほしい」と話した。開館時間は午前10時~午後5時半。日曜、祝日定休。入場無料。

リニューアルした外交史料館の展示室を内覧する上川外相(左)=5日(金田翔撮影)

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