歯舞漁港に水揚げされたトキシラズ=7日午後4時20分ごろ
道東沖など日本200カイリ内で始まった小型サケ・マス流し網漁で7日、まとまった水揚げが根室市や厚岸町であった。数量は5隻で数百キロと少なく、漁業者らは「これからに期待したい」と本番はまだとの見方。厚岸市場では8日が初競りとなり、トキシラズの高値が1キロ1万3500円(税別)と昨年の9800円を上回る異例の高さになった。(北海道新聞デジタル2024/4/8)
根室市内では歯舞漁港に3隻、落石漁港に1隻が計500キロ余りを水揚げした。海水温の上昇で出漁を3日と例年より1週間早めたこともあり、歯舞漁港で水揚げした第11宝春丸の甲板員の男性(45)は「いつもより時期が早いからデータがない。同じ時期になれば漁があるのでは」と語った。
8日の歯舞市場の競りはトキシラズが高値で1キロ8964円(税込み)。5日の初競りの同1万2852円からは下がったが、市場関係者は「まだ少し高い。もっと増えてくると落ち着くのでは」と話す。
厚岸漁港には厚岸町から出漁した3隻のうち1隻が7日に水揚げした。第31美咲丸の佐藤賢彌(けんや)漁労長(32)は「約150キロ沖まで行き、いろんなところを調査で回ったが(魚は)全然いなかった」としつつ、「出てみないことには分からない。早く状況が分かれば対応を考えることもできる。次は近くを攻めてみる」と今後に期待する。
厚岸市場での初競りには計91キロが掛けられ、1万円を超える高値に市場関係者は「近年にはない高さ」と驚いた。トキシラズ約15キロを競り落とした厚岸漁協直売店の塚田整(ひとし)店長は「丸みがあって魚自体は良い。大サイズは相場が高かったので買えなかった」。同漁協の加藤大将(だいすけ)参事は「トキシラズは少なく、初荷ということもあり、(買い受け人)みんな狙っていた感じがあった」と語った。
漁協直売店にはトキシラズ十数匹が並び、大型のものは1匹9千円ほどで販売。大型2匹を買った厚岸町内の自営業女性(83)は「少し高くても初物はいつも買って、友達におすそわけする。焼いて食べたい」と話していた。漁期は6月末まで。(先川ひとみ 、大滝伸介)
厚岸漁協直売店の店頭に並ぶトキシラズ=8日午前10時15分ごろ
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