ロシア政府が実効支配する北方四島周辺の海域で、5月27日から6月20日にかけて、再びロシア船籍以外の船舶の航行を認めない措置を発令すると、日本政府に通知したことが分かった。措置は4月以降4回目で、期間は3週間超とこれまでで最長。日本外務省は「わが国の立場と相いれず受け入れられない」と抗議し、6月に北方領土・歯舞群島貝殻島周辺で始まる日本漁船のコンブ漁に影響がないように求めた。(北海道新聞2024/5/24)
海上保安庁によると、21日午前0時ごろ、27日午後10時~6月20日午後10時まで四島周辺や千島列島付近の海域で外国の公船、軍艦の無害通航権を停止するとロシア当局からメールで通知があった。理由の説明はなかったという。
同措置を巡ってはロシア政府が4月上旬、同月11~17日に四島周辺海域で外国船の無害通航権を停止すると日本側に通知。以降、同月17~27日、27日~5月15日まで計2回期間を延長した。ロシア側の狙いは不明だが、徐々に期間が延びている。自国の領海であれば必要に応じて無害通航権を停止することが認められているが、日本政府はロシアによる四島の実効支配を認めておらず、延長の度に抗議していた。
貝殻島周辺での日本漁船によるコンブ漁の操業条件を決める日ロ民間交渉は今月17日に妥結し、6月以降に日本漁船が操業を予定している。日本側は、ロシア側の措置は漁船は対象になっていないとみているが、「日本漁船が安全に操業できるようにロシア側に伝えた」(外交筋)としている。
根室半島上空から望む北方領土。手前から納沙布岬、歯舞群島の水晶島、志発島、多楽島、雪化粧した色丹島=2016年11月(本社ヘリから)
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