鈴木直道知事は7日の定例記者会見で、北方領土の元島民らが北方四島付近の海上で船上から先祖を供養する「洋上慰霊」を8月中旬から9月中旬にかけて実施すると明らかにした。ロシアのウクライナ侵攻に伴う日ロ関係の悪化を背景に、北方領土墓参の再開が見通せない中、今年も実施が必要と判断した。(北海道新聞2024/6/8)
洋上慰霊の実施は2022年から3年連続。根室港を発着し、日ロ中間ラインの手前から北方四島に眠る先祖を慰霊する。鈴木知事は「墓参の再開が第一という考えに変わりはないが、せめて島の近くで慰霊したいという元島民の思いをかなえるため、苦渋の選択として洋上慰霊を実施する」と述べ、自身も参加する考えを示した。
道は今後、共催する千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟、札幌)などと実施回数や日程を協議する。北方領土墓参は新型コロナ禍で20年、21年の実施が見送られ、ロシアのウクライナ侵攻が始まった22年以降も中断が続いている。
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