北方領土墓参「枠組みは維持」 林官房長官「ロシア側に肯定的反応なし」 

 林芳正官房長官は1日の記者会見で、北方領土の元島民らによる北方領土墓参について、「ロシア側から再開に向けた肯定的な反応は得られていない」と述べた上で、「墓参の枠組みが維持されていることは確認が取れている」と説明した。(北海道新聞デジタル2024/8/1)

 ロシアはウクライナ侵攻を受けた日本の対ロ制裁に反発し、元島民らが北方四島を訪れる「ビザなし交流」と「自由訪問」の政府間合意を破棄している。林氏は枠組みが残っている墓参の再開について「日ロ関係の最優先事項の一つだ」と述べ、ロシア側に再開を強く求めていく考えを強調した。

北方墓参の合意「無効」 鈴木氏利用し日本けん制か―ロシア

(時事通信2024/7/31)

 無所属の鈴木宗男参院議員は30日、訪問先のロシアの首都モスクワでガルージン外務次官(前駐日大使)らと会談した。鈴木氏によると、北方四島の元島民による墓参の早期再開を求めたところ、根拠となる1986年の合意は「無効」とロシア側の担当者から聞かされた。

 ロシア外務省はウクライナ侵攻開始後の2022年9月、対ロ制裁を科す日本に反発し、四島の「ビザなし交流」に関する合意を破棄。一方、墓参を認めた合意は「有効」という立場を繰り返してきた。ロシア側の説明が事実なら、鈴木氏を利用して日本側をけん制しようとしている可能性がある。岸田文雄首相は30日、墓参などの再開が「日ロ関係での最優先事項の一つ」と強調していた。

 鈴木氏は今回の会談で、灯台修理を理由に停止された北方領土歯舞群島貝殻島周辺のコンブ漁を日本の漁業者に認めるよう要請。ロシア側の担当者は「8月3日に修理が終わる」と述べ、早期再開を示唆したという。

 

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