全国の大学生を北海道の根室に招き、北方領土問題の理解を深めてもらう北方領土問題対策協会(本部・東京、略称・北対協)主催の北方領土ゼミナールが4日、根室市内で始まった。北対協が返還運動後継者の育成を目的に実施しているもので、参加者は北海道から熊本県まで13道府県の大学生および大学院生30人。(釧路新聞2024/9/5)
根室地方は、この日も濃い霧に包まれたが、納沙布岬は学生たちが到着した約30分間、霧も晴れ、歯舞群島や国後島の島影のほか、この日初日を迎えた貝殻島周辺や前浜のコンブ漁も確認できた。
岬の啓発施設「北方館」では、岩山幸三館長から「返還運動を引き継ぐことは難しいことではなく、『北方領土は日本の領土』ということを知人や友人、親御さんに伝えるだけ。一滴の水が海になるがごとく、その一言が大きな世論になる」と呼び掛けられた。
指呼の間の島々を初めて見たという福井県立大学3年の中野紗良さん(20)は「あまりに島が近すぎて心が動揺している。ロシア人島民と元島民が交流する映像を見たが、今は途絶えていると聞き、何かできることはないか検討できればと思う」と話していた。
午後は択捉島出身の鈴木咲子さん(85)の体験談や防衛省防衛研究所研究幹事の兵頭慎治さんの講義を聴いた後、「北方領土問題についてSNSを活用してどのように伝えるか」についてグループディスカッションを行った。
最終日の5日は、ディスカッションで話し合った結果をまとめた企画書を発表して終了する。
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