ロシアのプーチン大統領は第9回東方経済フォーラムの全体会議で演説し、クリル上陸作戦(※千島列島と北方四島への上陸・占領作戦)の記憶を永続させるよう指示するとともに、極東に新しい博物館を創設することを発表した。「我々は間違いなく極東に新しい博物館を創設する。そしてこの取り組みの一環として、1945年8月から9月にかけてのクリル上陸作戦の記憶を永続させるよう命令する。この作戦は第二次世界大戦の最後の戦いの一つとなり、難攻不落と思われた敵の要塞を破壊した我々の兵士と将校たちの勇気の無条件の象徴となった」とプーチン大統領は述べた。大統領はまた、1945年にソ連軍がクリル諸島で成し遂げたような偉業がロシア人に新たな功績をあげるよう刺激を与えていると述べた。1945年8月18日から9月1日(※他のメディアでは9月2日となっている)まで行われたクリル上陸作戦により、ソ連はクリル諸島を掌握することができた。7月にユーリ・トルトネフ副首相兼極東連邦管区大統領全権代表はシュムシュ島(北千島の占守島)に第二次世界大戦の野外博物館を創設することを提案した。(sakh.online 2024/9/6)
(NHK 2024/9/5)
ロシアのプーチン大統領は、第2次世界大戦で旧ソビエト軍が千島列島や北方領土を占領した軍事作戦などをテーマにした博物館をロシア極東に建設する考えを示しました。ロシアのプーチン大統領は5日、極東ウラジオストクで開かれている国際会議「東方経済フォーラム」で演説しました。この中で、プーチン大統領は、第2次世界大戦で旧ソビエト軍が千島列島や北方領土を占領した軍事作戦などをテーマにした博物館をロシア極東に建設する考えを示した上で、「第2次世界大戦における最後の戦いの1つとなった軍事作戦の記憶を風化させないよう指示した」と述べました。その上で「この戦いは難攻不落と思われていた敵の要塞を粉砕した兵士たちの勇気の象徴だ」として、展示の一部は旧日本軍と戦った兵士をたたえるものになるという考えを示しました。旧ソビエト軍は第2次世界大戦で日本が降伏した直後の1945年8月18日に千島列島に侵攻し、特に北部にあるシュムシュ島(占守島)では武装解除を進めていた旧日本軍の守備隊との激しい戦闘で双方に多くの死者が出ました。
四島占領の歴史、継承強化を指示 プーチン氏が経済フォーラムで演説
(北海道新聞2024/9/6)
ロシアのプーチン大統領は5日、極東ウラジオストクで開催中の東方経済フォーラムで演説し、1945年の旧ソ連によるクリール諸島(北方領土と千島列島)への上陸作戦について「記憶を永続させるよう指示する」と述べ、極東で新たな博物館の開設などを進める考えを示した。北方四島などを占領した歴史の継承を強化し、ロシアによる実効支配を正当化する狙いとみられる。
1945年8月9日に日ソ中立条約を無視して対日参戦した旧ソ連は、18日に千島列島への上陸作戦を開始し、9月5日までに四島を占領した。プーチン氏は演説で上陸作戦を「第2次世界大戦の最後の戦いの一つとなり、わが国の兵士と将校の勇気の絶対的な象徴となった」と述べた。
博物館の具体的な建設地は示さなかったが、サハリンでは旧ソ連軍の侵攻を記念する博物館が来年オープンする予定。極東政策を所管するトルトネフ副首相は千島列島北部のシュムシュ島(占守島)に大戦勝利を記念する博物館建設の考えを示しており、こうした計画を念頭に置いたとみられる。
サハリン州政府が策定した北クリル地区(北千島)開発のマスタープランの中で示されている、シュムシュ島の軍事愛国野外博物館のイメージ (サハリン・メディア2023/5/22)
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