市街地での牛の放し飼いが問題になっている国後島で異例の判決が出た。2022年8月25日夜、トヨタ車が道路に現れた牛と衝突した。ドライバーの男性は牛の飼い主を相手取り、大破した車の賠償を求めて訴訟を起こした。一方、飼い主の女性は、死んだ牛の賠償と牛乳が販売できなかったことによる逸失利益、さらには精神的ダメージに対する賠償を求めてドライバーを逆提訴した。この異例な裁判を審理した南クリル地方裁判所は、事件資料を調査し、目撃者の証言を聞き、専門家の報告書を検討した結果、双方の責任を認める判決を下した。ドライバーは十分な注意を払わず、夜間に道路に動物が現れる可能性を考慮しなかった。牛の飼い主は動物を安全に放牧するための十分な対策を講じなかった。責任と損害賠償の割合をドライバーが60%、牛の飼い主が40%とした。これに基づきドライバーは牛の費用と牛乳販売による利益損失の一部を女性に補償し、飼い主は車の修理費用の一部を支払うことになる。国後島ではユジノクリリスクの住民が4月初旬、牛が通りを自由に歩き回り、緑地を破壊していると苦情を申し立てた。行政府は景観整備と衛生管理に関する規則の遵守について牛の飼い主と組織的に話し合いを行っているとしている。(sakh.online 2024/6/11)
写真は色丹島・穴澗。放し飼いの牛が夜間に車道を闊歩している
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