【根室】北方領土返還要求運動高知県民会議が、若い世代に向けた返還要求運動のテーマソングを作った。県民会議の2人が根室市役所を訪問し、この曲を披露。活動を知った市民からはかつて北方領土と根室を結んだ通信用海底ケーブルを使ったスタンドマイクが贈られた。(北海道新聞デジタル2024/6/12)
曲名は「KAKEHASHI(カケハシ)」。北方領土の元島民2世から「返還運動をやめたくなる時もあった」という話を聞き、若い世代の背中を押そうと曲を作った。曲調は明るく、「ぼくらの声は明日へとつながるカケハシに」などと歌う。「愛する人のためなら7キロなんて遠くない」といったロシアのことわざもロシア語で盛り込んだ。
中心となったのは高知県の青年団員として2021年に納沙布岬を訪問し、北方領土の近さに衝撃を受けたという歌手の森岡千晴さん(32)。親しみやすさを出すため「返還」という言葉を使わず、若者が関心を寄せたり、返還運動に取り組む若い世代を応援したりできる内容を意識した。
森岡さんは県民会議の一員として根室市を3~5日に訪問し、3日に市役所で石垣雅敏市長らにこの曲を披露。石垣市長は「ビザなし交流では歌も披露しあった。若い世代が北方領土問題を知るきっかけになれば良い」と語った。
曲作りを知った国後島元島民2世の久保浩昭さん(56)からは「歌う時に使ってほしい」とマイクが贈られた。マイクに使われたケーブルはかつて国後島と根室を結んだもので、久保さんはこのケーブルの陸揚(りくあげ)施設(陸揚庫)の保存に取り組んでいる。マイクは4日、根室高校の北方領土根室研究会の生徒を通して渡された。
県民会議は現在、この曲を踊りで披露できるように編曲しており、地元や道内の学生チームと練習しているという。森岡さんは「根室でぜひ披露したい」と話した。
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