ロシア地理学会(RGS)の遠征隊は、1943年に日本軍の攻撃によりラペルーズ海峡(宗谷海峡)で沈没したアメリカ海軍の潜水艦ワフーを追悼して、沈没地点の海底に記念銘板を設置した。ロシア海軍の歴史の記憶し保存することを目的としたロシア地理学会と海の人々財団の「海洋遺産」プロジェクトの一環として実施された。USSワフーは、第二次世界大戦中に、最初に日本海に侵入した潜水艦だった。戦闘任務中、日本の輸送船など20隻を沈没させたが、1943 年 10 月 11 日、ラペルーズ海峡で日本軍の攻撃を受け、80人の乗員とともに沈没した。遠征隊は多目的船マナティーに乗船、ワフーが沈没した場所を訪れた。海洋エンジニアリング会社フェルトーイングの遠隔操作水中探査機トリトンを使用して、「人間と同じように船にも栄光、尊敬、そして不滅が必要である。彼らの記憶を永遠に! 失われた船にも未来はある。ロシア人は忘れない。」などと書かれた記念銘板と花輪を水深60mに降ろした。また、遠征隊は海底の土壌サンプルも収集しており、将来的には遠征で得た資料とともに、死亡したアメリカ人乗組員の親族に移送される可能性がある。ロシア地理学会遠征活動部長のナタリヤ・ベリャコワ氏は「ロシアと米国は緊張関係にあるが、例えば第二次世界大戦におけるドイツと日本のファシズムに対する共同の闘いなど、両国を団結させた歴史的出来事を思い出すことが非常に重要である」と指摘した。(タス通信2024/5/24他)
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