反政権ロシア人に在留許可 日本政府、弾圧考慮か

 ロシアのプーチン政権を批判し、ウクライナ侵攻開始前に日本に事実上亡命して難民認定を求めているロシア人男性に対し、法務大臣の裁量で例外的に滞在を認める「在留特別許可」が3月中旬に出たことが25日、分かった。男性本人や関係者が明らかにした。難民認定を申請したロシア人に在留許可が出るのは異例。(北海道新聞デジタル2024/4/25)

 ロシアではウクライナ侵攻以降、政権が反体制派の市民を徹底的に弾圧しており、日本政府が事情を考慮した可能性がある。

 男性は「強権的なプーチン大統領が支配するロシアから離れたかった」と強調。ロシアに戻れば「刑務所に入れられるかウクライナの戦場に送られる」と話した。

 出入国在留管理庁によると2019~23年の5年間、難民認定を申請して実際に認定されたり、人道的配慮から在留特別許可を得たりして在留を認められたのはアジアや中東、アフリカの国籍者が多く、ロシア人はいなかった。入管庁は24年の実績を公表していない。

 男性は22年2月の侵攻開始前に入国し、入管施設に収容された後、難民認定を申請。その後一時的に収容を解く「仮放免」となっていた。入国の詳しい経緯や所在地については「ロシア当局の監視が及ぶ恐れがあり、明らかにできない」としている。

 今回与えられた在留資格は「特定活動」で期間は1年。移動の制限がなくなり、一定の範囲内で就労が認められる。

 ロシア人の在留許可を巡っては、ウクライナ侵攻に反対し侵攻後に入国した女性2人に対し、入管当局が特例で在留資格を「短期滞在」から「留学」に切り替え、中長期の滞在を認めた事例が昨年判明している。2人は難民認定の申請はしていなかった。(共同)

出入国在留管理庁が入る庁舎=25日午後、東京都千代田区

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