日本と戦争における米ソ極秘協力「プロジェクト・フラ」で、米海軍からソ連海軍に移管された艦船について、2017年調査時(北海道根室振興局北方領土対策課「北方領土遺産発掘・継承事業(2015-2017)」の取り組みとして実施)に145隻としていたが、このほど米国国立公文書館に残る「HULA-2プロジェクト司令官の報告書」で149隻と確認できたので、訂正する。2017年当時、参考にした資料「Project Hula: Secret Soviet-American Cooperation in the War Against Japan」(1997年、リチャード・ラッセル)では、本文中に149隻という表記があったが、巻末の「付録 1945 年 5 月から 9 月までの間にプロジェクト・フラの下でソ連に移管された米海軍戦闘艦」のリストは145隻となっていた。このリストは艦船1隻ずつ、移管日や返還日などが明記されており、こちらの数字を採用して145隻としていた。しかし、「HULA-2プロジェクト司令官の報告書」を見ると、PF(哨戒フリゲート) 28隻、AM (掃海艇)24隻、YMS (木造の掃海艇)31隻、 LCI(L)(大型歩兵揚陸艇) 30隻、SC(木造の駆潜艇)32隻、YR(工作船) 4隻の149隻となっていた。ラッセルの「付録 1945年 5月から9月までの間にプロジェクト・フラの下でソ連に移管された米海軍戦闘艦」リストにはYR(工作船) 4隻が含まれていなかった。「付録」の表題をよく見れば「戦闘艦」とあり、工作船である4隻を外した一覧表だったと理解できる。
以下、プロジェクト・フラの概要。
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