択捉島—ウラジオストク便の利用低調 平均「搭乗率」18.5%

 北方領土択捉島とロシア極東ウラジオストクを結ぶ定期航空便が、昨年12月6日に就航してから1カ月余りが過ぎた。島を事実上管轄するサハリン州の本島以外とを結ぶ初の定期便。住民の期待は高いが、夏の観光シーズンを外れた時期でもあり、利用は伸び悩んでいる。(北海道新聞2024/1/26)

 地元紙「赤い灯台」によると、1月11日までに往復した計24便は、択捉島から計138人、ウラジオストクから計174人が利用したという。使用機の乗客定員は70人のため、1便当たり平均13人、搭乗率18.5%となる。この数字は実績としては厳しい。

 同紙は「まだスタートしたばかりだ」と主張。この定期便がいかに「お得」かを力説し、「利用の少なさが運航休止の理由にならないよう祈る。観光シーズンになれば人の流れは増える」と訴えている。

 極東の中心都市ウラジオストクは、島やサハリン本島よりも医療や商業施設が充実し、国内外に向けた経由地としても優れている。サハリン本島を経由する現在の空路だと、択捉、国後両島からは丸1日、色丹島からは丸2日を要する。択捉から2時間で行ける直行便は、島の住民にとって魅力的なのは間違いない。春以降に利用が急伸する可能性はありそうだ。

 色丹島では、この定期便に接続する択捉島までのヘリ運航を求める署名運動も始まった。ウラジオ便への期待の高さを示す動きだが、悪天候時の欠航リスクなどを踏まえ、通信アプリ上では「非現実的」との指摘も出ている。(本紙取材班)

 

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