歴史・愛国教育の強化 2024年ロシアの子供たちにとって最も重要な変化

今年9月から、ロシアの学校では歴史と愛国教育が強化される。中学生(5年生から9年生)は国の領土構成の最新の変化と特別軍事作戦(※ウクライナ侵攻)の進捗状況を反映した新しい統一歴史教科書を使って学習する。現代の英雄のポートレート、現在の地図、および最近の出来事に特化した資料が追加される。新しい教科書の登場は、教育界と保護者の間で多くの論争を巻き起こしたが、プーチン大統領は12月に行われた国民対話の中でそのことに触れて「ロシアは今、他者を利することがない、真実に基づく国家版教科書を必要としている」と述べた。これに加えて中学生は「安全保障と祖国の防衛の基礎」という新しい科目が必修となる。従来の「生命の安全の基礎」 を修正したもので、軍事規則、小型武器を扱う際の安全要件、緊急事態における行動手順、基礎医学などを含む初期軍事訓練が含まれる。さらに、外国語によるすべてのロシア語試験が廃止される。ロシア連邦教育・科学監督庁のムザエフ長官は10月の記者会見で「我々は今後、外国語での教育訓練を絶対に行わない。これは総合的に決定されたことだ」として英語、スペイン語、ドイツ語などの外国語による教育訓練を実施しないことを表明した。(イズベスチヤ2024/1/3ほか)

※高校生 (10年生から11年生)の歴史教育については、昨年9月から新しい歴史教科書が導入され、第2次世界大戦末期の旧ソ連の対日参戦や北方四島の領有を正当化するロシア側の主張を大幅に拡充している。日ソ中立条約が当時有効だったことには触れず、日ロ両国が初めて国境を画定した1855年の「日露通好条約」以降、一貫して日本の領土だった四島を「戦争で取り戻した」と表現している。領土問題で強硬姿勢を強めるプーチン政権の一方的な歴史観が将来世代に根付く恐れがある。(北海道新聞2023/10/1)

 

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