北方領土四島の早期返還に取り組む「山形県北方領土返還促進協議会」の第40回北方領土返還要求山形県民大会が30日、山形市のパレスグランデールで開かれた。「ロシアのウクライナ侵攻で北方領土問題を取り巻く状況は厳しさを増したが1日も早い北方領土の返還実現を目指し粘り強い返還要求運動を推し進める」とする宣言を採択した。(産経新聞2023/11/30)
大会では、山形県北方領土返還促進協議会会長で県議会の森田広議長が「四島の帰属問題を解決し平和条約を締結する政府の基本方針は変わっていない。政府の外交交渉を後押ししていくためにも県民一人一人が北方領土への関心と理解を深め、四島の早期返還の実現を目指そう」とあいさつした。
続いて北方領土の色丹島で生まれ育ち、「北方領土の語り部」として半世紀以上、活動する得能宏さん(89)がオンラインで記念講話を行った。得能さんは平成4年に始まった「ビザなし交流」で故郷を訪問。引き揚げ前に亡くなった祖父の墓は今も島にあり墓参も含め島を訪問した。しかし、ビザなし交流や墓参もロシアのウクライナ侵攻で途絶えている。「何とか、皆さんから力をもらい、また行きたい」と訴えた。
北方領土の返還を求める署名運動は昭和40年以降、全国で展開され、署名収集数は累計で約9278万人(令和4年3月現在)に上る。山形県内の署名収集数は168万2241人(令和4年度末)という。
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