【士幌】町内の上居辺小で15日、北方領土の元島民2世の話を聞く催しが開かれ、5、6年生の5人が真剣な表情で聞き入った。道の事業を活用。国後島泊村出身の親を持つ町中士幌在住の佐藤一郎さん(58)が、母や祖父から伝え聞いた、旧ソ連兵の上陸前後の島の様子や、返還などを望む島民の思いを児童に伝えた。(北海道新聞帯広十勝版2023/11/16)
佐藤さんの祖父石田雅啓(まさひろ)さん(故人)が、家に土足で上がってきたソ連兵に銃を突きつけられたり、ひそかに漁船に連絡して夜中に島から逃げたりした話に児童は耳を傾け、驚いていた。4歳の時に島から離れ、同居する母の明子さん(82)は泊村との自由な行き来を望んでいるといい、佐藤さんは「当時を知る人の高齢化が進み、返還などを願う人には時間が無い」と訴えた。
島の豊かな自然や当時の漁村のにぎわいなども話題に上った。6年生の佐藤舜斗さん(11)は「驚くことばかりだった。いつか国後島にいってみたい」と話す。佐藤さんは「知ったことを家族にも伝えてほしい」としている。(関山大樹)
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