【根室】ロシアが実効支配する北方領土・歯舞群島の貝殻島灯台の上部に、新たに十字架のようなものが設置されたことが26日、根室市の納沙布岬から確認された。ロシア正教会の十字架とみられる。貝殻島の灯台には7月下旬にロシア国旗が立ち、今月24日には壁面が白く塗られるなど、実効支配を示す動きが相次いでいる。(北海道新聞2023/8/27)
根室海保によると、25日午前10時に灯台上部に十字架に見えるものを確認した。納沙布岬にある北方領土問題啓発施設「北方館」によると、灯台付近では24、25の両日、数人が活動する姿がみられた。
7月下旬に灯台最上部に掲げられていたロシア国旗は欄干近くに立て直され、屋根も白く塗られていた。国旗の掲揚には日本政府が8月上旬に抗議している。
ロシア正教会ユジノサハリンスク・クリール教区は、今月9日に貝殻島灯台に設置するための十字架と聖像画イコンを、ロシア軍太平洋艦隊などに引き渡したと発表していた。歯舞群島ではこれまで水晶島や秋勇留島でも十字架が設置されているが、貝殻島灯台は納沙布岬から約3・7キロの距離で、北海道本土に最も近い。(先川ひとみ)
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