鈴木直道知事は27日の道議会代表質問で、北方領土の元島民らが北方四島付近の海上で先祖を供養する「洋上慰霊」を8月下旬から9月下旬にかけて実施予定だと明らかにした。ロシアのウクライナ侵攻により日ロ対立が深刻化し、墓参を含む四島へのビザなし渡航再開の見通しが立たないことを受けた措置。(北海道新聞2023/6/28)
知事は答弁で「墓参の再開が第一との考えに変わりはないが、島の近くで慰霊したいという元島民の思いをかなえるため、洋上慰霊を実施できるよう進める」と述べた。自民党・道民会議の三好雅氏(宗谷管内)の質問に答えた。
日ロ中間ラインの手前で実施する洋上慰霊は昨年に続き2回目。関係者によると、根室市の根室港を発着点に国後島と歯舞群島方面の2航路に分けて計6回計画する。道や千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟、札幌)などが主催し、7月上旬にも募集を始める。
知事らは13日に岸田文雄首相と面会し、墓参の早期再開を要請。ただ、林芳正外相は19日の参院沖縄・北方問題特別委員会で墓参の再開について「ロシア側から肯定的な反応は得られていない」と説明していた。(武藤里美)
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