東南アジアの研究員視察 根室で元島民に領土問題聞く

 北方領土問題について学ぼうと、国際政治に詳しい東南アジアの外国人研究員3人が8、9の両日、市内を訪れた。元島民から四島への思いを聞いた研究員は「領土問題について考える機会を増やすことが重要だ」などと話した。(北海道新聞根室版2023/3/10)

 日本国際問題研究所が国際関係の海外研究者を日本に招き、北方領土問題への理解を深めてもらう狙いで実施。3人はフィリピン、マレーシア、ベトナム出身で、隣国との外交問題などを研究している。

 8日には根室商工会館で、国後島出身の古林貞夫さん(84)が、漁業で生計を立てていた島での暮らしぶりや引き揚げ時の苦労などを通訳を介して説明。「元島民の思いをくみ、一日も早く返還されるよう、いろいろな場面で働きかけてほしい」と伝えると、3人は真剣な表情でうなずいた。

 フィリピン人のジッコ・アルフォンソ・プゾンさん(29)は「世界にはさまざまな領土問題があるが、当事者が平和的解決を求めている点は共通していると感じた」と話した。

 このほか、道立北方四島交流センターや納沙布岬も視察。マレーシア出身のアンジェリーン・タンさん(26)は「領土交渉が滞っているのは残念。多くの人が問題に関心を持ち続けることが大切だ」と指摘し、ベトナム出身のラン・マイ・ドゥーさん(36)は「ベトナムでも今回の経験を伝えたい」と語った。(川口大地、先川ひとみ)

 

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