上川の剣淵町で北方領土を知るための催しが開かれ、歯舞群島の元島民がかつての島の様子や第二次世界大戦の終戦直後の状況などを語りました。この催しは北方領土返還運動に取り組む団体が開き、このなかで歯舞群島の水晶島で11歳まで生活していたという高塚正勝さん(86歳)が講演しました。高塚さんは水晶島でのかつての生活を楽しそうに振り返り、春に昆布漁が盛んだったこと、冬は島民どうしで馬肉を分け合うなど協力しながら生活していたことなどを紹介しました。そして、終戦直後には旧ソビエト軍が島に上陸し恐怖を感じていたことや、軍から配給された麦粉で作られたパンを食べて生活していたことも語りました。講演を聴いた剣淵町の60代の女性は「当時の人たちの暮らしぶりを聞くことで北方領土に日本人が住んでいたことが実感できました」と話していました。高塚さんは「終戦後の水晶島はロシア人の警備隊しかいない寂しい場所になってしまった。その警備隊とも以前は交流できたが、最近は規制が厳しくなり、残念だ」と話しました。そのうえで「北方領土の返還は厳しい状況だが、過去のことを伝え続けないと忘れられてしまう。これからも返還運動は続けてもらいたい」と話していました。(NHK北海道NEWS WEB2022/11/17)
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