根室の領土返還要請、首相「面会せず」一転 1日に中央アピール

 岸田文雄首相は1日、北方領土返還要求中央アピール行動で上京する根室管内の首長らと面会する。当初は国会対応を理由に応じない方針を決め、内閣府が30日午前に和田義明副大臣が対応すると発表したが、関係者の不満の声を受け、夜になって一転して面会を決めた。歴代首相は2008年以降、原則面会に応じており、北方領土問題に対する政権の関心の低さの現れと言えそうだ。(北海道新聞2022/12/1)

 アピール行動は、根室管内1市4町でつくる北方領土隣接地域振興対策根室管内市町連絡協議会(北隣協)が07年から実施。自治体や元島民らが都内を行進し、早期返還を訴えてきた。

 北隣協の首長と首相との面会は08年に始まり、安倍晋三首相(当時)が外遊で不在だった18年は菅義偉官房長官が対応。昨年は岸田首相も面会している。

 しかし、今年は首相だけでなく、松野博一官房長官岡田直樹北方担当相も、国会対応を理由に面会しないことをいったんは決定。和田氏らが対応することにしたが、地元で「領土問題が軽視されている」と不満の声が出ていることが伝わり、急きょ1日夕に首相が会うことになったという。

 アピール行動は、コロナ禍で20、21両年は都内での行進を中止したが、今年は3年ぶりに復活させる(松下文音川口大地)

 

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