北方領土にあった神社のご神体が預けられている根室金刀比羅神社で9、10の両日、例祭が開かれ、いずれも四島にあった色丹神社、志発島金刀比羅神社の関係者が集まり、北方領土の早期返還を祈った。(北海道新聞根室版2022/10/11)
1945年(昭和20年)の終戦時、四島には65の神社があった。旧ソ連軍の侵攻を受けてご神体を持ち出せたのは12社のみで、今回例祭を開いた2神社を含む11社のご神体が、根室金刀比羅神社に預けられている。
9日の色丹神社の例祭では、色丹島の元島民や島民2世ら10人が集まり、1人ずつ玉串をささげた。根室色丹会の木根繁会長(85)は神事の後、「ロシアのウクライナへの侵攻が続く中、元島民が集まり、北方領土返還への決意を示し続けることが重要だ」と述べた。
10日の例祭には、志発島金刀比羅神社の関係者で、歯舞群島志発島の元島民らでつくる志発会の計12人が参加。同会の水口清一会長(80)は「領土問題解決には難しい問題が山積しているが、命ある限り返還運動を続けていきたい」と話した。いずれの例祭も新型コロナウイルスの感染防止策として神事のみ実施した。(武藤里美、川口大地)
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