ソ連軍の北方領土侵攻を伝えた歴史の証人「根室国後間海底電信線陸揚庫」

根室市では、トーチカより古い戦争遺跡の保存が議論されています。「陸揚庫(りくあげこ)」です。

HBC 北海道放送
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「これはケーブルピットと言っているが、ここから海底電信線が海の方に敷かれていった」

1900年(明治33年)、根室国後島との間に海底電信線が敷かれ、1935年(昭和10年)には電話が開通します。根室から択捉島北端まで、総延長およそ450キロの電信線は、通信インフラとして北方領土の人々の暮らしを支えてきました。

「陸揚庫」は、1935年ごろに建てられたとみられる海底電信線と陸の電線をつなぐ中継施設です。120年前に敷かれた海底電信線も残っています。

ソ連軍が1945 年、択捉島に8月28 日、国後島に9月1日侵攻し上陸した。上陸直後の島の緊迫した状況が各村の役場から根室側に電報で伝えられた」

(1945年8月29日 午前1時30分の電報~訳文~)

「8月28日正午、ソビエト軍艦2隻 留別(るべつ)に上陸せり(中略)電信不通詳細分明(ぶんめい)ならず ソビエト軍艦は尚滞在中」

「この海底電信線と陸揚庫を経由して届けられた。歴史的な出来事の証人のような施設」

2021年10月には、国の登録有形文化財に登録されました。いま、コンクリートの劣化を調査するなど保存の準備が進められています。

「今後返還運動や北方領土学習のきっかけになるような建物として、きちんと物語も含めて伝えていける施設にしたい」

 

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