(NHKニュースWEB 2022/9/13)
終戦直後まで北方領土の国後島と根室市をつないでいた海底ケーブルの中継施設、通称「陸揚庫」について、保存や活用に向けた調査が行われています。
昭和10年に建てられた根室市にある通称「陸揚庫」は、国後島と根室市の間の海底に敷設されていた通信ケーブルの中継施設として終戦直後まで使われていて、去年10月、国の登録有形文化財に登録されました。
北方領土に日本人が住んでいたことを伝える貴重な遺構だとして、根室市は保存や活用に向けた調査を12日から行っています。
13日は、専門の業者などおよそ10人がコンクリートを保護するための薬剤を塗ったり、強度を正確に調べるために直径およそ8センチの筒状のサンプルをくりぬいたりしていました。
また、通信ケーブルが敷設された明治33年当時の遺構を探す調査も行われていて、周辺ではレンガの破片などが見つかり、詳しく調べることにしています。
調査に立ち会った国土技術政策総合研究所の長谷川直司博士は「建物の劣化が進んでいるように見える。北方領土に関する物的な証拠は貴重なので、この調査を修理・保存につなげていきたい」と話していました。
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