ロシア、衆院議員384人の入国禁止 日本の制裁に対抗

 ロシア外務省は15日、日本の衆議院議員384人を対象に、14日からロシアへの入国を禁止したと発表した。日本政府が4月、ロシアのウクライナ侵攻を受け、多数のロシア下院議員に個人資産の凍結や査証(ビザ)発給停止の個人制裁を科したことに対する報復措置としている。(北海道新聞2022/7/16)

 ロシア外務省は対象となった384人のリストを公表し、「ウクライナでの軍事作戦に関連してロシアへの根拠のない批判や非友好的な立場をとっている」と理由を説明した。ロシア外務省は5月に岸田文雄首相ら閣僚8人や北方領土問題を所管する衆参の特別委員会に所属する一部議員の入国禁止措置をすでに発表している。(渡辺玲男)

衆院議員9割、ロシア入国禁止に 日本への対抗姿勢鮮明、判断基準は不明

(北海道新聞2022/7/17)

 ロシア外務省が15日に日本の衆院議員384人の入国禁止を発表し、5月の措置と合わせ、衆院全465人のうち約9割が入国禁止の対象となった。ウクライナ侵攻に対する制裁を続ける日本への対抗措置で、麻生太郎菅義偉野田佳彦各氏ら与野党の首相経験者も対象となった。ただ、経済閣僚や日ロ友好に関わる議員らを対象に含めないなど、なお日ロ関係を維持したい思惑も透ける。

 首相経験者で対象となった麻生氏は、自民党副総裁として対ロ強硬姿勢の岸田政権を支える。日ロ関係を重視した安倍政権で官房長官を務めた菅氏は、首相在任中にプーチン大統領と電話会談し岸田政権とも一定の距離を置くものの、対象となった。

 一方、安倍政権下に外相として平和条約交渉の責任者を務めた自民党河野太郎広報本部長を入国禁止にする一方、茂木敏充幹事長は対象に含めなかった。両氏ともウクライナ侵攻を厳しく批判しており、具体的な判断基準は不明だ。

 ロシア側は5月にも衆院議員22人を含む計63人の入国禁止を決定。その際は岸田文雄首相や林芳正外相、鈴木俊一財務相のほか、民間の千島歯舞諸島居住者連盟の脇紀美夫理事長らを対象とし、対ロ制裁や北方領土返還要求を批判、拒否する姿勢を明確にしていた。

 一方、ロシア経済分野協力担当相を兼務する萩生田光一経済産業相のほか、小林鷹之経済安保担当相、斉藤鉄夫国土交通相ら経済協力に関連する閣僚は対象にならなかった。斉藤氏は公明党所属の衆院議員32人のうち唯一の対象外。鈴木貴子外務副大臣や日ロ友好議員連盟逢沢一郎会長らも含めなかった。経済協力の維持や将来の関係改善の糸口を残す姿勢は継続したとみられる。(渡辺玲男)

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