北方四島の開発に急ブレーキか クリル発展計画の財源212億ルーブル、26%減額 択捉島・紗那–天寧道路は43.8億ルーブル⇒19.4億ルーブルに半減 ウクライナ情勢影響か

 ロシア政府は6月1日付で、北方四島を含むクリル諸島(千島列島)の開発計画である「クリル諸島社会経済発展プログラム(2016-2025)」の見直しを行い、投資総額を2021年12月変更時の805億7,950万ルーブルから594億880万ルーブルに211億7,070万ルーブル減額する決定を行った。縮小幅は26%に上り、北方四島の今後の社会資本整備に大きな影響が出ると予想される。ミシュスティン首相が改正法令を承認した。プログラムに要する財源の内訳は、連邦予算が289億9,020万ルーブルから67億2,100万ルーブルに大幅減となり、サハリン州予算は318億8,710万ルーブルから若干減少して309億9,500万ルーブルに変更された。このほか民間投資など予算外資金は197億220万ルーブルから約21億ルーブル多い217億7,190万ルーブルに増額している。

<主な事業>

択捉島リリスク(紗那)とブレベスニク(天寧)空港間(27.9km)を結ぶ高速道路再建事業

43億8,300万ルーブル⇒19億4,200万ルーブル※2022年–25年までに32億ルーブル以上を投じる計画だったが、8億1,200万に大幅減額された。

国後島のユジノクリリスク(古釜布)とゴロブニノ(泊)間(41.2km)を結ぶ高速道路再建事業

39億8,500万ルーブル⇒36億3,500万ルーブル

国後島の住宅建

27億9,850万ルーブル⇒22億770万ルーブル

色丹島の住宅建

32億1,130万ルーブル⇒30億7,550万ルーブル

択捉島の住宅建

27億240万ルーブル⇒19億5,450万ルーブル※2022年から24年までに計画していた7億4,790万ルーブルをカットした。

セベロクリリスク(パラムシル島)の住宅建

8億2,350万ルーブル⇒9億7,210万ルーブル※1億4,860万ルーブル増額

クリル諸島の港湾インフラ整備(岸壁、堤防造成)事業

79億3,170万ルーブル⇒6億8,900万ルーブル

 2016年-2020年までのプログラム前期5年間でみると、総投資額は379億740万ルーブル。このうち連邦予算が35億9,910万ルーブルサハリン州予算192億6,370万ルーブル、民間投資などの外部資金150億4,460万ルーブルとなっており、連邦プログラムにもかかわらず、連邦予算からの支出は1割に満たない。(ロシア法務情報サービスサイトgarant.ru参照)

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