日本政府は、クリル諸島南部(北方四島)に埋葬されている祖先の霊を慰めるため、今年10回程度の洋上慰霊式を行う。7日に黄川田仁志内閣府副大臣が明らかにした。それによると、7月末から交流船『えとぴりか』で約10回の慰霊式を予定している。昨年、新型コロナ感染拡大の影響で、同様の慰霊式が北海道とクリル諸島の海上境界線エリアで行われたが、ロシア領海への侵入を意味するものではない。北海道の鈴木直道知事は岸田文雄首相に、クリル諸島の元居住者のための洋上慰霊について支援を要請した。首相は、ロシアとの「ビザなし交流」の終了に関連して、他のオプションを検討する必要があると述べた。「ビザなし交流」は両国民の相互理解を深めることを目的とした政府間協定に基づいて1992年から始まった。以来、択捉島、国後島、色丹島在住のロシア人8,000人以上が訪日し、1万8,000人以上の日本人がクリル諸島南部を訪れた。2017年9月、両国首脳の合意に基づき、航空機による墓参が初めて実施されたが、新型コロナの感染拡大で過去2年間、行われていない。ロシア外務省は3月、ウクライナ情勢に関連してロシアに対する一方的な制裁が実施されたため、平和条約締結交渉を中止すると発表。また、1991年の「ビザなし交流」に関する合意と、1999年の元居住者を対象とした最大限簡素化された訪問(自由訪問)について、実施不可能と決定した。さらに、クリル諸島南部での共同経済活動に関する対話からの撤退も発表した。(サハリン・インフォ2022/6/7)
2019年、国後島を訪問した元居住者たち
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