オホーツク管内斜里町の知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没した事故を巡り、北方領土・国後島西岸で乗客乗員とみられる男女2人の遺体を見つけたロシア人島民の男性が、電話などで北海道新聞の取材に応じ、発見の経緯などを語った。男性はレンジャー(自然保護官)で事故を悼み、行方不明者を捜しながらパトロールしているという。(北海道新聞2022/6/3)
男性はロシア政府が指定する「クリール自然保護区」の職員ドミトリー・ソコフさん(54)。5月6日、フクロウの巣の調査中に、国後島中部のラグンノエ湖(二木城(にきしょろ)湖)から北に約8キロの海岸沿いに打ち上げられた女性の遺体を見つけた。18日には、さらに北に約3キロ離れたイリインスコエ湖(ヤンベツ湖)近くの海岸で男性の遺体を発見。近くにあった革の財布に小型船舶操縦免許証とクレジットカードが入っていた。
いずれも「観光船の乗客ではないかと思い、すぐにユジノクリーリスク(古釜布)の警察に通報した」という。ソコフさんは18年6月にはビザなし交流のロシア側訪問団団長として、根室管内羅臼町を訪れたこともある。「悲惨な事故。島に流れ着くかもしれないと思いながらパトロールしている。日ロ両政府が協力し、身元を早く特定してほしい」と願った。(渡辺玲男)
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